樹木医 (じゅもくい) とは?
樹木医は、天然記念物のような巨樹・名木から街路樹や庭木などの身近な樹木まで、傷んだり病気になったりした樹木の診断と樹勢回復に携わる専門家です。 樹木医は、専門的な知識と技術を活用して地域の緑の普及啓発にも活躍しています。 |
北広島町の五葉松治療 |
樹木医の診断とは?
まず、樹木の歴史がたどってきた経過、立地条件などを調べ
ます。次に樹木自体について葉や枝、幹や根の各部の状態を、形状や色、密度、伸長量に異常がないか、傷はないか、枯れたり腐ったりした部分はないか、空洞があればどの程度かなど診断機器も使いながらできるだけ詳しく調べます。 同時に病虫害があればその程度と原因を調べます。さらに土壌や根系の状態を調べ、必要があれば分析も行います。 そして、これらの結果を総合的に判断して、衰退原因を明らかにし、これに基づく対策を立てます。 |
個人邸モミジの古木の診断中 |
樹木医の治療とは?
樹木の治療とは、衰退した樹木の健康を取り戻すために衰退
原因を取り除くことです。 原因を正しく診断して適切な治療を施すことが必要です。治 療の内容は、例えば、周辺環境の整備、病害虫の防除、枝のせ ん定や枯枝の除去、土壌の改善と発根促進、根や幹などの外科 手術、支柱の設置、保護柵や案内板の設置など、衰退原因と樹 木の特性に応じて行われます。 大規模な治療では、大型のクレーンや掘削機などの建設機械 を使って、長期間にわたり行うことがあります。また、比較的 小規模な治療では、数日で終えることもあります。治療にあた っては、樹木の所有者や管理者と樹木医が、治療の進め方について十分に話し合って行うことが大切です。 |
台風により倒木した ヤマザクラの発根促進治療 |
樹木の治療は樹勢回復の第一歩です。治療後も樹木を続けて見守っていくことが大切です。
日常的な観察によって樹木とその周辺に生じる変化や異常を見逃さないようにしなくてはなりません。
貴重な樹木では後継樹の育成に取り組むことも忘れてはならないでしょう。
ふるさとの樹木を守り、育てていくために樹木の所有者、地域の人々、行政、そして樹木医がお互いに協力し助け合うことが求められています。